今回は「エクスポート（レンダー）」についてお話しします。Davinci Resolveで編集作業が完了したら、動画の書き出しをしなければなりません。動画をYouTubeへ最適にアップロードするためです。
しかし動画編集を専門で行っているクリエイターの中でも、書き出しについて正しく理解できていない人も少なくありません。適切に書き出しできないと動画の質が低下したり、余計な作業が発生して効率性が低下したりするかもしれません。適切かつ効率的にエクスポートする方法を、Davinci Resolveで実演しながら解説したいと思います。
Davinci Resolveのエクスポート（レンダー）の手順
早速Davinci Resolveを使って、編集した動画を外部に出すエクスポートの方法について解説しましょう。といっても、実際にやるべき作業はそれほど多くありません。簡潔にやるべき手順をまとめると、以下の通りです。
- レンダー設定を行う
- 詳細設定をする
- レンダーキューに追加する
- 自動的に書き出し作業が行われる
それでは、ステップごとに何をすべきか、どうなるのかについて実演付きで説明していきます。
レンダー設定を行う
実演付きで、Davinci Resolveにおけるエクスポート作業を進めていきましょう。以下の画像をご覧ください。
画像が少し途切れてしまっていますが、右下にカーソルがありますね。この部分にはロケットのようなアイコンが表示されています。この部分をクリックしてください。「デリバー」というメニューです。
デリバーをクリックすると、上の画像のように左側に「レンダー設定」という項目が表示されます。こちらで今回編集した動画の設定をしていきます。
まずはファイル名です。ファイル名は適当なもので問題ありません。今回は「Napkin AIのYouTube動画」としてみました。その下に保存先が指定できる欄があります。こちらはデフォルトのままでも構いませんが、もし特定の場所に動画保存したければ右側にある「ブラウズ」というボタンをクリックしてみてください。
ブラウズをクリックすると、上の画像のようにファイルの保存先を選択できるダイアログが表示されます。どこか特定の場所に保存したければ、その場所を決めて右下の「保存」をクリックしてください。今回はデスクトップに保存してみました。
続いてフォーマットです。フォーマットのデフォルトは「MP4」になっていますね。これはMP4のままで大丈夫でしょう。
上のスクショは、フォーマット欄をクリックしたときのものです。画像を見ておわかりのように、MP4以外にもいろいろなフォーマットがラインナップされています。YouTubeにアップロードできる形式は、これだけあります。
今回はデフォルトのまま、MP4を選択すればいいでしょう。コーディックもデフォルトのまま、H.264で問題ありません。
解像度は画像を見ると「1920×1080」になっているでしょう。解像度はこのままにしておいてください。というのもYouTubeのサイズが1920×1080だからです。もしかすると中には別のサイズが表示される場合もあるかもしれません。別の解像度になっているのは、編集した動画のサイズがもともと間違っている可能性があります。解像度を調整して、再度レンダー設定してみましょう。1920×1080になっているか、エクスポートする前に確認しておいてください。
解像度の下にある「フレームレート」は、30になっています。私の場合、30のままで設定しています。
詳細設定をする
上のスクショは、レンダー設定の中にある「詳細設定」をクリックしたときの画像です。いろいろな項目が表示されています。しかし私の場合、こちらはほとんどいじらずにそのままで設定しています。もし字幕を表示したければ「字幕設定」の項目にある「字幕の書き出し」にチェックを入れましょう。今回は字幕を入れないので、チェックを入れずにそのまま進めます。
レンダーキューに追加する
すべての設定が決まったら、上の画像のカーソルの合わせた箇所「レンダーキューに追加」というボタンをクリックしてください。「レンダーキューに追加」をクリックすると、以下のスクショの画面に切り替わるはずです。
画面右側に「レンダーキュー」という欄が新たに表示されました。そして「ジョブ1」のところに、先ほどの動画が出てきました。
後は右下にある「すべてレンダー」をクリックしてください。今回は1個だけですが、複数の動画を一気にレンダーすることも可能です。「すべてレンダー」をクリックしますと、以下の画面に切り替わります。
自動的に書き出し作業が行われる
先ほどの「すべてレンダー」が表示されていたところに注目しましょう。「レンダリング中」に切り替わりました。ソフトの方で自動的に書き出し作業に移行しています。
書き出し作業には少し時間がかかると思ってください。上のスクショでは、残り「4分17秒」となっています。このように1秒で書き出しが完了することはほぼなく、数分程度時間がかかります。書き出し完了までどのくらい時間がかかるかは、お使いのパソコンの機種によっても変わってきます。スペックや機能で書き出しにかかる時間は変わってくると思ってください。
書き出しにはある程度の時間を要します。なので必要な作業がすべて終わって、時間的に余裕のあるときに書き出すのがおすすめです。お茶をして一服したり、ご飯したりして作業が完了するまでしばらく待ちましょう。
画面右上の「ジョブ1」のところに注目してください。右側に「00：03：30で完了」と記載されていますね。このように時間と「完了」のメッセージが表示されれば、書き出し作業は完了したことになります。今回の私の動画だと、おおよそ20分くらいの動画です。20分の動画を書き出すのに3分30秒かかったわけですね。
これでYouTube用の動画がエクスポートされたことになります。Davinci Resolveにおける一連の編集作業は完了したので、Davinci Resolveを終了してソフトは閉じてもらって結構です。
まとめ
いかがでしたか？
今回はできあがったYouTube動画をエクスポート（レンダー）する方法について、お話ししました。レンダーする際には、いろいろな項目を設定する必要があります。まずファイル名や保存先は任意で自由に決めてもらって構いません。しかし以下の項目については、今回紹介した設定にしておくといいでしょう。
- フォーマット：MP4
- 解像度：1920×1080
- コーデック：H.264
- フレームレート：30
すべての項目の設定が完了したら「レンダーキューに追加」をクリックしましょう。すると「レンダーキュー」に先ほどの動画に関する情報が表示されます。「すべてレンダー」をクリックすれば、エクスポートが自動的に始まります。
エクスポートはDavinci Resolveの方で勝手にやってくれるので、追加の作業はありません。ただし数分単位で、ある程度作業が完了するまで時間がかかります。完了するまで別の作業を行うなどで対処しましょう。