今回は、Kindleのアップロードに必要なものについてお話しします。Kindleのアップロードには、以下の6項目が必要になると思ってください。
- 本のタイトル
- 著者
- 内容紹介
- カテゴリー
- キーワード
- 本の価格
ここではこの6項目について、実際の画面のスクショも交えて解説していきます。
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Kindleアップロードに必要な情報を手順別に解説
kdpのホームページを見ると、以下のスクショのように3つのタブがあり、それぞれ入力すべき項目がいくつかあります。ここではタブごとにどの項目にどのような内容を入力すべきか、見ていきましょう。
- ステップ1:Kindle本の詳細
- ステップ2:Kindle本のコンテンツ
- ステップ3:Kindle本の価格設定
ステップ1:Kindle本の詳細
まずは「Kindle direct publishing」というところをクリックしてください。すると以下のスクショのように「タイトルの新規作成」画面が表示されます。この中で自分が出版しようと思っているジャンルの「+」をクリックしましょう。
今回は「電子書籍または有料マンガ」を選択してみました。まずは左側にある「Kindle本の詳細」タブに含まれる情報を入力していきます。
「本の詳細」タブの中には「本のタイトル」項目があります。本のタイトルを作成するにあたって、以下の項目が入力できます。
- 本のタイトル
- タイトルのフリガナ
- ローマ字
- サブタイトル
- サブタイトルのフリガナ
- サブタイトルのローマ字
この中でもサブタイトルやサブタイトルのフリガナなどはオプションなので、入れても入れなくてもかまいません。この後も「シリーズ」や「版」などオプション項目があるので、この部分は入力は必須ではありません。決まっていなければそのままでかまいません。
「著者」欄は必須項目なので、氏名とフリガナ、ローマ字を入力してください。ローマ字は半角英字で入力することです。
「内容」も記載しておきましょう。Kindleで書籍が表示された際に、書籍の紹介欄に掲載される部分です。
必要事項をスムーズに設定するためにおすすめなのは、以下のスクショのようにあらかじめアップロードに必要な事項をシート作成しておくことです。今回はGoogleドキュメントにて作成しました。
あらかじめシートを作成しておく理由は、エラー対策です。もし入力中になにか問題が発生すると、せっかく設定した情報が保存されない可能性があるからです。シートに残しておけば、エラーでデータが飛んでも再度コピペすれば良いわけです。またあれこれ考えながら入力するよりも、あらかじめ準備した情報をコピペすれば作業効率も向上します。
その他にあらかじめ検討しておきたいものとして、キーワードがあります。キーワードは以下のスクショのように、最大7つ設定できます。キーワードもあらかじめ決めておきましょう。
上の画面に「カテゴリー」欄があります。カテゴリーは少なくても一つ設定する必要はあるものの、この段階で決めておく必要はありません。
ほかには以下のスクショのように、あらかじめ必要情報をシート作成するのであれば、3つの情報を設定しておいてください。
- 年齢や学年の範囲
- 本の発売オプション
- 価格
この中でもとくに重要なのは「価格」です。どの程度の値段で販売するか、早い段階で検討しておきましょう。
ここでは、事前に作成したシートを用いてどのようにデータ入力するかについて見ていきます。基本的に該当する項目にコピペにて入力していけば、問題ありません。以下のスクショを参考にして作業を進めていきましょう。
ローマ字の部分はそのままアルファベット読みにする必要はありません。以下のスクショのように今回は「チャレンジローンチの教科書」に設定しています。今回は「Challenge launch textbook」としました。「Challenge launch no kyokasho」のようなローマ字読みに設定しても問題ありません。
オプションの部分は入力してもしなくてもかまいません。「著者」の項目は、名前とフリガナ、英語表記の3つを入力する必要があります。あらかじめシートに記載してコピペして入力すればスムーズですし、入力ミスなども起こりにくくできます。
以下のスクショのように「出版に関して必要な権利」という項目があります。どちらを選択してもかまいませんが、一般的には上の選択肢である「私は著作権者であり、出版に関して必要な権利を保有しています」を選びます。
「主なマーケットプレイス」に関しては、「Amazon.co.jp」を選択すればいいでしょう。今回この講座を見ている人は日本の方が中心だからです。もし別の特定の場所をターゲットにしているのであれば、ターゲットに最もアプローチできると思われる選択肢を選んでもらって構いません。
先ほどは選ばなかった「カテゴリ」をここで選択しましょう。ここまでいろいろと設定すると、何となく自分の書籍に合ったカテゴリーが見えてくるはずです。
今回はカテゴリーを「Kindle本」、サブカテゴリーを「ビジネス・経済」としました。その他にも以下のスクショのようにいろいろなサブカテゴリーを細かく選択しなければなりません。
しかしあまり悩む必要はありません。たとえ異なるジャンルで設定したとしても、Amazonが勝手にカテゴライズしてくれるからです。そこまで悩む必要はないものの、戦略的に特定のジャンルから出版したいと思っているのであれば、ここで厳密に選ぶと良いでしょう。
カテゴリーの設定ができたところで、右下にある「カテゴリーを保存」をクリックしてください。
「キーワード」に関しては、必ずしも入れる必要はありません。しかしキーワードを設定しておくと読者が購入時に検索する際に、特定のキーワードで自分の書籍が表示されやすくなります。キーワード欄に入力しておくのがおすすめです。
最後の項目で「本の発売オプション」という項目があります。「本の発売準備ができました」とあります。一方でその右下には「保存して続行」ボタンもあり、どちらをクリックすれば良いかで迷う人もいるでしょう。
どちらが良いのか、おすすめなのは「保存して続行」ボタンをクリックすることです。「保存して続行」ボタンをクリックすると次のページにジャンプするだけです。まだ発売されたわけではないので、「保存して続行」をクリックして下さい。「保存して続行」をクリックしたところ、エラーが出る場合もあります。エラーが出るのは、どこかに入力ミスや不備があるからです。
エラー箇所は赤く表示されるので、発見しやすいでしょう。エラーがなくなったら、「完了」と表示されます。
ステップ2:Kindle本のコンテンツ
次は「Kindle本のコンテンツ」タブの設定です。こちらは書籍のアップロードに関するページになります。この中に以下のスクショのように「原稿」項目があり、「ページを読む方向」について選択する欄が表示されます。
「左から右」「右から左」のいずれかを指定してください。横書きなら前者、縦書きなら後者を選択するのが一般的です。読む方向が定まったところで、「原稿をアップロード」をクリックしましょう。
以下のように「原稿を正常にアップロードしました」というメッセージが表示されれば、アップロード作業は完了です。
次に表紙をアップロードしてください。「参照」をクリックして、表紙データを選択してアップロードしましょう。
「AI生成コンテンツ」と呼ばれる項目があります。これは書籍作成時にAIを利用したかどうかに回答する欄です。最近ではAIを使って書籍などのクリエイティブな作品を制作する人も増えてきています。
そこで人間が作成したものか、AIを使ったのか区別するためにこのような質問が用意されています。今回はAIを使用していないので「いいえ」にチェックを入れましょう。AIを使ったのであれば、「はい」を選択してください。
次に以下の画面のように「Kindle本のプレビュー」という項目が出てきます。その中の「プレビューアーを起動」をクリックすると、書籍がどのように表示されるか確認できます。出版前に間違った箇所を確認し、修正できるので活用してみてください。
ページ落ちがないか、URLを入れている場合こちらが機能するかなどを確認しておきましょう。ページ送りの設定が逆になっている場合も、プレビューアーで確認できます。右上の「端末」で設定すれば、タブレットとスマホ、Kindle端末いずれの場合のプレビューをチェックできます。問題なければ、左上にある「戻る」ボタンをクリックすれば前の設定画面が表示されるはずです。
最後の「Kindle電子書籍ISBN」は何も入力しなくてもかまいません。最後に右下にある「保存して続行」をクリックしましょう。
ステップ3:Kindle本の価格設定
最後に「Kindle本の価格設定」というタブに進みましょう。まず以下のスクショのように「KDPセレクトへの登録」という項目が現れるはずです。
KDPセレクト本とは、読み放題の「KDPセレクト」対象になるという意味です。通常は書籍が購入されれば、収益が入ります。プラスKDPセレクト登録しておくと読み放題プランのユーザーが自分の書籍を読んでくれた場合も、収益を獲得できるようになります。ユーザーの読んだページ数に応じて収益が発生する仕組みです。
KDPセレクトには登録しておいた方が良いでしょう。ただしKDPセレクトへの登録には注意点もあります。KDPセレクトに登録した書籍とまったく同じ内容を自社商品として登録できないので注意しましょう。KDPセレクトに関する詳しい情報を確認の上で、登録するかどうか判断しても良いでしょう。
続いて「出版地域」に関する項目が出てきます。こちらは基本的に「すべての地域(全世界での権利)」を選択するのが一般的です。
しかし「この地域で書籍を売りたくない」など特殊な事情があれば、下にある「特定の出版地域」を選択してもかまいません。主なマーケットプレイスは以前に設定した「Amazon.co.jp」などが表示されているはずなので、そのままにしておきましょう。
次が「価格設定、ロイヤリティ、配信」の項目です。項目の通り、ここで書籍の価格設定をします。国内外いろいろな通貨で価格設定できますが、日本円設定にし希望価格を入力すれば、それに合わせてそのほかの価格も表示されます。今回はAmazon.co.jpにて1,250円で販売すると設定しました。
価格設定の上部に、「ロイヤリティ プランを選択し、下にKindle本の希望小売価格を設定します」と書かれているでしょう。そして以下のように2つの選択肢が表記されているはずです。
- 35%
- 70%
ロイヤリティに関しては、KDPのホームページにて紹介しています。まず70%のロイヤリティ オプションを利用するためには以下の要件を満たさなければなりません。
- 著者もしくは出版者の指定する希望小売価格が基準を満たしている
- 当該書籍の印刷版のAmazonでの希望小売価格を20%下回っていること
- 著者もしくは出版者が著作権を持つすべての国と地域で書籍が販売されること
- KDPセレクトに登録していること(日本・ブラジル・メキシコ・インドの読者に販売する場合)
ここで出てくる「希望小売価格」についてですが、国によって細かく価格設定されています。Amazon.co.jpの場合、35%のロイヤリティ オプションの場合、最低希望小売価格は99円です。
70%のロイヤリティ オプションを希望するのであれば最低希望小売価格は250円です。一方最高希望小売価格は1,250円になります。もしこの価格帯から外れてしまうと、ロイヤリティ オプションの対象外になるわけです。
また最後に日本の場合、KDPセレクトに登録することも70%のロイヤリティ オプションを利用する要件に含まれています。もし70%のロイヤリティを獲得したければ、先に紹介したKDPセレクトへの登録も忘れずに行いましょう。
同じく先述の通り、KDPセレクトに登録すると対象の書籍は自社商品としては販売できません。自社商品としての販売を検討しているのなら、ロイヤリティはあきらめざるを得ないと考えておきましょう。
ロイヤリティ オプションに関する情報は以下のようにKDPのホームページに記載されています。オプションを希望するなら、まずはこちらのページを確認すると良いでしょう。
KDPセレクトに登録して、ロイヤリティを70%に設定すると以下のような画面となるはずです。もし1,250円で販売した場合、795円のロイヤリティが発生します。
ここまでの作業が終われば、これで完成です。最後に右下にある「Kindle本を出版」をクリックしましょう。あとは審査を受けて問題なければ、販売されます。審査は最大72時間かかることもあわせて頭に入れておいてください。
もし今すぐ出版するのはちょっと…でもきちんと書籍に関するデータを残しておきたければ、「下書きとして保存」を選択しましょう。これでKindle出版のために必要な準備は終わりです。
Kindle本の本文準備の手順
続いて、本文の準備手順についてお話しいたします。本文の準備で押さえておきたいポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ポイント#1:縦書きか横書きか決める
- ポイント#2:章扉を準備する
- ポイント#3:原稿から電子書籍用データ(ePub)に変換する
ここからは本文で準備すべき3つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ポイント#1:縦書きか横書きか決める
まずは縦書きか横書きかを決めましょう。結論から言えば、どちらでも構いません。電子書籍であれば横書きでも問題ないですし、従来の書籍のように縦書きにするのもトレンドに合わせた形なので選択肢の一つになり得ます。ただし同じ書籍でも、縦書きと横書きでイメージが変わるので最初に決めておきましょう。
先ほども紹介したように、横書きと縦書き、どちらが正解とは一概に言えません。自分の好みやこだわりに合わせて選べば良いでしょう。
ポイント#2:章扉を準備する
続いて章扉の準備に移ります。聞きなれない名称かもしれませんが、章扉とは章の番号やタイトルの書かれているページを指します。ここでは実際の電子書籍を例に、章扉とはどのようなものかについて見ていきましょう。
上のスクショをご覧ください。「第二章 チャレンジローンチのやり方」と書かれたページが表示されました。従来は見出しの後で本文に入っていきます。このような大きな見出しを本文の間に挿し込んだページを章扉と言います。
先ほどのスクショを見ると、テキストで章扉を作成しているように見えるかもしれません。しかし画像データで用意しています。画像データであれば、イメージなどのデザインをあしらうことも可能です。今回は文字のみのシンプルな章扉ですが、画像で作成すればデザインも挿し込めます。
実際にどのように作成するか、使用するツールは基本的に何でも構いません。CanvaでもWordでも好きなものを使用すれば良いですが、サイズは指定しておきましょう。ただ章扉は画像で作成するのがおすすめ、こちらは頭に入れておいてください。
ポイント#3:原稿から電子書籍用データ(ePub)に変換する
次に原稿から電子書籍用データに変換する方法についてです。文章作成時にはGoogleドキュメントなどでまとめられているでしょう。Googleドキュメントから電子書籍用に変換するためには、ePubというものに変換する必要があります。WordやPDFのままでは入稿できないからです。ePubに変換する方法として、以下で紹介するように主に2つのアプローチが考えられます。
- ツールを使う方法
- 外注する方法
まずはツールを使用する方法です。いくつかePubに変換するツールがあるものの、代表的なのは「デンデンコンバーター」です。ネットで「デンデンコンバーター」と検索すると「電書ちゃんのでんでん」が出てくるでしょう。こちらをクリックしてみてください。
すると上のスクショのようなトップページが表示されるはずです。画像のように詳しい使い方について案内されているので、チュートリアルを参考にして作業を進めてください。
事前準備として注意しなければならないのは、メモ帳を開く工程です。WordやPDFなどほかのフォーマットで作成した場合、メモ帳に変換する必要があるわけです。
以下のスクショを見てください。こちらはGoogleドキュメントで作成したものです。メモ帳に変換するためには「ファイル」→「ダウンロード」の順に進みましょう。すると「書式なしテキスト(.txt)」が表示されます。こちらをクリックしてみましょう。
ダウンロードしてみたところ、下のようにテキスト表示されました。ただGoogleドキュメントに挿入した画像が含まれていません。ここが問題になるかもしれません。
続いて本文の書き方についてです。通常の書き方と異なるところがいくつかあるので注意してください。以下のように段落と段落の間は一行空けましょう。
ほかにも見出しのところには半角の「#」をつけることも忘れないでください。すべて本文を作成できたら、アップロード欄にてアップロードします。アップロードする際にはテキスト形式でアップロードすることも忘れないでください。
この方法の場合、文字化けなど問題が起きる可能性もあります。テキストのみで画像もほとんど入っていない、章扉にもとくにこだわりがなければ、ツールを使っての作成は可能です。ただしKindleの完璧な作成は難しいので、もう一つの方法である外注する方法について見ていきましょう。
外注はePubにしてくれるコーダーに依頼して、作成してもらう方法です。どこでコーダーを見つけるか、クラウドワークスやランサーズなどで募集をかけるのが一般的です。経験豊富なコーダーに依頼すれば、きれいな電子書籍に仕上げてくれるのでおすすめです。
外注した場合、いくら費用がかかるのか、これは対象の文字数によっても変わってきます。しかしおおよそ1〜3万円程度が相場だと思ってください。多少コストがかかるものの、いずれのデータもePubに変換しないことには電子書籍は発行できません。上の2つの方法を参考にして、作成してみてください。
まとめ
Kindle電子書籍を販売するにあたって、さまざまな情報を登録しなければなりません。エラーで情報が飛んだり、間違えたりしないためにもあらかじめ必要な情報をGoogleドキュメントなどにまとめてからコピペするのがおすすめです。
原稿作成の際にWordやPDFファイルを使っている人も多いでしょう。しかしKindle書籍にするためにはePubと呼ばれる電子書籍用データに変換する必要があります。変換ツールはあるものの、完璧に仕上がらないかもしれません。クラウドワークスやランサーズなどを使えば、ePubコーダーがいるので協力して電子書籍を作成しましょう。最後まで見ていただきありがとうございました。